TP-Link「Deco M5」3台を有線LANで繋いでメッシュWi-Fi構築

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TP-Link「Deco M5」3個セット

新居に引越しをして早くも1ヶ月が過ぎました。もうすぐ親世帯が引っ越してくるため今一度Wi-Fi環境を確認したところ、単純に無線ルーターを増設するだけでは不十分だということが分かり、TP-Linkの「Deco M5」を用いてメッシュWi-Fiを構築することにしました。

その結果、非常に素晴らしい無線LAN環境を手に入れることができましたので、順番に説明して参りたいと思います。

この記事は2020年5月20日時点の情報に基づいています(2024年2月25日一部更新)
2024/02/05追記:Deco M5は現在も販売されていますが、後継モデルが多数登場しています。

 

従来の我が家のWi-Fi環境

従来の我が家のWi-Fi環境

新居は木造在来工法の2階建てで、各階ともに床面積が100平米強あります。LANポートは1階に2ヶ所、2階に3ヶ所設けています。

インターネット回線はeo光の1Gbpsコースを契約、2階中央付近にモデムを設置し、その横にメインの無線ルーターA(バッファローWSR-1166DHP2)、1階には無線ルーターB(バッファローWHR-G301N/N)を有線LAN接続していました。

親世帯を迎え入れるにあたり、1階中央付近に3台目の無線LANルーターを設置すれば一応はOKなのです。しかしながら、2つの問題がありました。

まずひとつは、私が1階のオフィスから2階に上がっても、無線ルーターBの電波を引きずってしまうということ。2階まではほとんど電波が届いておらず、いちいち手動でスマホのWi-Fi設定を切り替える必要があり、これが微妙に面倒臭いのです。

もうひとつは、せっかく1000Mbpsの回線を契約しているのに十分な速度が出ているとは言い難い点です。2階中央付近でも下り30Mbps強がやっと。1階の私のオフィスに至っては10Mbpsに過ぎません。

そのため、これらの無線ルーターを強力なものに買い変えたところで結局は直前に接続していたルーターの電波を引きずることに変わりがないことからメッシュWi-Fi化することにしたのです。

 

TP-Link「Deco M5」

TP-Link「Deco M5 V2」

これまで主にバッファローのルーターを使ってきたのですが、いろいろ調べてみるとバッファローはあまり良くないということが分かりました。設定次第で十分な速度を出すことも可能なのかもしれませんけど、現状ではスペックとは程遠い速度しか出ていません。

そこで、世界No.1シェアを誇るTP-Linkが有力候補に上がりました。当初は一般的な無線ルーターで検討していたものの、いくら強力なルーターを置いても1台では不十分であることは明らかだったので、メッシュWi-Fi対応の「Deco」にすることに決めたのです。

メッシュWi-Fiとは

メッシュWi-Fiでもっとも有名なのは「Google Nest Wifi」(上写真)でしょう。ちょっと広い家やオフィスの場合、広範囲に電波を飛ばすために中継器を置くことが一般的です。ただその場合は先日までの我が家がそうだったように、エリア内を移動すると前に接続していた電波を引きずってしまいます。

一方、メッシュWi-Fiはそうならないことがメリットです。エリア内を移動すると最適な電波を拾って、ベストコンディションでブラウジングすることが可能なのです。

なお、Google Nest Wifiは基本的にメインルーター以外は無線接続ですが、Decoはブリッジモードに設定することで有線接続が可能です。我が家は計5ヶ所にLANポートを設けているので、より安定しやすい有線接続が可能なDecoを選びました。3台用意した場合に価格がGoogleの半値で済むという点も大きかったです。

 

Deco設置後のWi-Fi環境

Deco設置後のWi-Fi環境

それでは、Deco M5を設置した結果からご報告しましょう。上図の通りDeco(1)をメインルーターとして、Deco(2)と同(3)をLANポートに接続したところ、家中どこにいても約30Mbps以上の通信速度を得ることができました。なお、時間帯によっては下り最大100Mbpsに達することもあります。

おまけに、1階から2階に上がっても1階で接続していた電波を引きずることはありません。シームレスでベストなDecoに接続し、スムーズにブラウジングすることができます。

ただし、ここまで来る道筋は決してスムーズではありませんでした。基本的にメッシュWi-Fiは建物内に複数のLANポートがある環境を想定しておらず、有線接続する方法については情報が少ないのです。そこで、以下にDecoを有線接続してメッシュWi-Fi化する方法を説明したいと思います。

 

3台のDecoを有線接続でメッシュ化する方法

スイッチングハブが必要

TP-Link 5ポート スイッチングハブ TL-SG105V5.0

Deco M5にはLANポートが2つしかありません。しかし、Deco M5に2台以上のDecoを有線で繋ぐためにはポートが3つ以上必要になります。モデムと接続するのに1つ、別のDecoを繋ぐのに2つ以上ポートが要るからです。

そのため、ポートを増設するために同じTP-Linkのスイッチングハブを購入しました。モデムとDecoを接続し、Decoにスイッチングハブを接続、そこから各部屋のLANポートを介して、2台のDecoを追加するというわけです。

なお、Decoを2台だけ有線接続する場合や、有線LANでデスクトップパソコンやNASなどを接続しない場合、3台のDecoを直列で接続する場合はスイッチングハブを用意する必要はありません。詳しくは下記をご覧ください。

Deco間をLANケーブルで繋いで利用できますか?(Ethernet Backhaul) | TP-Link 日本
Deco間をLANケーブルで繋いで利用できますか?(Ethernet Backhaul)

ブリッジモードに設定する

ブリッジモードに設定する

eo光のようにルーター機能が付いたモデムにDecoを接続する場合は、動作モードをブリッジモードにする必要があります。おそらくメインのDecoを接続した時点でブリッジモードに設定したほうが良いのだと思いますが、正しい手順はよく分かりません。個別に設定することはできないし、その必要もないようです。

ただし、ブリッジモードにすると一部機能(ペアレントコントロールなど)が制限されます。モデムのルーター機能をオフにすればルーターモードで使えるのだと思いますが、Decoを有線接続するためにはブリッジモードにする必要があると私は理解したのでそれについて試していません。詳しくは下記をご覧ください。

2020/11/16追記:モデムのルーター機能をオフにして二重ルーターの状態を回避すればルーターモードでも有線接続可能だということです。
Decoをブリッジモードに設定をしてアクセスポイントとして使用するためにはどうすればいいですか? | TP-Link 日本
Decoをブリッジモードに設定をしてアクセスポイントとして使用するためにはどうすればいいですか?

高速ローミングをONにする

高速ローミングをONにする

スイッチングハブを用いて3台のDecoを有線接続し、ブリッジモードにした当初、メッシュWi-Fiであるはずなのにシームレスに電波を拾わなくて困りました。しかし、その問題は高速ローミングをオンにすることで解決しました。

なお、一部の古いデバイスは接続設定をやり直す必要があるということでしたが、我が家にあるデバイスは特に問題ありませんでした。ちなみに、もっとも古い機器は6年前に購入した複合機です。

 

有線で最大800Mbps、無線で最大350Mbps

有線で最大800Mbps、無線で最大350Mbps

前述の間取り図の通信速度はすべてモトローラのスマホ「Moto G6」にインストールしたアプリ「Speedtest」で計測した結果ですが、パソコンからブラウザベースの「Fast.com」で何度か測定した結果では有線接続で最速810Mbps(※のちに900Mbps)、無線接続で同じく350Mbpsを記録しました(※Decoから有線もしくは無線接続という意味です)。バッファローの無線ルーターを使った場合では有線でも最速で80Mbps台しか叩き出したことがなかったので爆速と言えるレベルです。

Deco M5はFonルーターばりに小型なのにその容姿からは想像できないくらいに頼もしいんですねー。

 

円盤型でスペースを取る

百均のコの字ラックで空冷

Decoについては本当に満足です。ほかのメッシュW-Fiは試したことがありませんが、無線ルーターとしての基本機能がシッカリしていると感じさせられました。アプリで設定変更ができるというのもすごく便利です。

一方で、強いて不満点を挙げるとしたら、円盤型のためスペースを取るということでしょうか。

スペース節約のためにスイッチングハブと重ねて置いたらかなり熱くなったので、百均のコの字ラックで距離を取るようにしました。もっとも、熱の程度は一般的な無線ルーターと同程度だと思います。

 

ちなみに、2階は100平米強をフロア中央付近に設置したDeco1台でカバーできていることを考えると、1階も中央付近の1台で大丈夫だったと思います。そこを敢えて3台購入した理由は以下の通りです。

  • 実際に使うまでどの程度の範囲をカバーできるか分からなかった
  • 本来無線接続で中継するものなので、電波の弱いところに設置することもできる
  • 2台セットで約16,000円、プラス約5,000円で3台セットになるので割安感があった
  • 3台あれば1台が壊れても安心

無線ルーターは使用環境によって結果が異なるので、実際に使ってみないと分からないものです。我が家でも色々試してみて、分かってきたことが多々あります。その点、有線でも無線でも繋げて、ベストコンディションを探し当てることができるDecoは、中継器が必要なくらいの広さのお宅やオフィスにオススメだと思います。

それにしてもこんなに優れたものがあると分かっていたら、家中のあちこちにLANポートを設ける必要はなかったとちょっと後悔しています(苦笑)LANの配管を新築時に増設するのに1本あたり1万円以上もしますからね。電気はこれからも有線がメインでしょうが、通信は無線が当たり前になっていくんだろうと思い知らされました。

2021/04/20追記:今年に入ってから、他のデバイスはWiFiに繋げているのに新しいデバイスを繋げようとしたらそれだけ繋がらないということが増えました。モデムとDecoを再起動すれば問題は解決するのですが、いかんせん無線接続しているデバイスが多いのでちょっと面倒に感じます。

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この記事を書いた人
収納マン

師匠に勧められて2013年から電チャリに乗り始め、翌年MTB、さらに翌年ロードバイクを購入。まさか自分がピチピチのジャージを着て走るなんて思いもしませんでした(苦笑)詳しいプロフィールはこちら

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コメント

  1. ちゅん より:

    はじめまして、記事読ませて頂いたのですが一つ誤解があるようです。
    Deco同士を有線で繋ぐ(EthernetBackHaul)を構築する際に必ずしもブリッジモードにしないといけないわけではありません。
    大雑把に書くと
    ルーターモード→自身がルータとなり各デバイスにIPを振り分けデータの管理を行う
    ブリッジモード→既存のネットワークに追加する等、既に別のルータが管理しているネットワークでデータを既存ルータに橋渡しするためのモード
    となります。
    ですので、モードとしてはどちらでも使えます。
    ただ、既存のルータが管理するネットワークに別の管理ルータわ追加すると二重ルータ状態になり
    環境によっては不具合が生じることもあります。
    ご存じの内容でしたら失礼致しました。

    • 収納マン 収納マン より:

      ちゅんさま

      はじめまして^^

      ご指摘ありがとうございます。

      改めて文章を確認したところ、”モデムのルーター機能をオフにすればルーターモードで使えるのだと思いますが、Decoを有線接続するためにはブリッジモードにする必要があると私は理解した”という記述に誤りがあったということですね。

      本文を修正させていただきました。

      重ねてお礼申し上げますm(_ _ )m